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PPIとH2ブロッカーについて紹介

PPIとH2ブロッカーには胃酸の分泌を抑える作用があり、どちらも胃酸分泌抑制薬に分類される薬です。
PPIはプロトンポンプインヒビター(プロトンポンプ阻害薬)で、胃酸の分泌の最終段階であるプロトンポンプの働きを阻害することで胃酸の分泌を抑制します。
それに対してH2ブロッカーは、胃粘膜にある胃壁細胞のヒスタミンH2受容体という部分に拮抗することで酸分泌を抑制する働きがあります。

胃酸の分泌を抑える効果は、H2ブロッカーよりもPPIの方が強力です。
PPIのプロトンポンプを阻害する作用は24時間続くため、薬の服用も1日1回で済みます。
H2ブロッカーが持つヒスタミンH2受容体への拮抗作用は、血中濃度が下がると効果が無くなってしまいます。
そのためH2ブロッカーは、1日に2回服用するのが一般的です。
そのため治療初期には、H2ブロッカーよりもPPIを用いる方が多くなっています。
長期間の維持医療には、H2ブロッカーが用いられることが多くなります。

また、PPIはピロリ菌検査に影響を与えてしまうことがあります。
ピロリ菌検査ではピロリ菌がいなけければ陰性という毛結果が出ますし、ピロリ菌がいれば陽性という結果が出るのが普通です。
しかし、PPIを服用していると本当はピロリ菌がいるにも関わらずいないという偽陰性という結果が出てしまうことがあります。

なぜかというとPPIには静菌作用があり、ピロリ菌の活動を抑える効果があるからです。
それによりピロリ菌検査で、ピロリ菌がいるにも関わらず陰性となってしまいます。
PPIの静菌作用は、ピロリ菌の活動を抑えるだけなのでピロリ菌を殺菌するわけではありません。
ピロリ菌を除去することはできないのです。

こうした偽陰性を防ぐために、ピロリ菌検査をする際にはPPIの服用を中止して一定の期間をあける必要があります。
最低でも2週間薬の服用を止める必要があり、除菌治療後には3か月の期間が必要となります。

PPIとH2ブロッカーは併用可能?

PPI(プロトンポンプインヒビター)とH2ブロッカーは、両方とも胃酸分泌抑制薬として胃酸過多の症状の改善に用いられます。
どちらも似た効果をもたらしますが、PPIの方が効果が強力です。
しかし、ピロリ菌検査に影響を及ぼす場合や保険適用の関係上、投与できる日数が限られているなどの制限があり、長期の服用には向いていません。
そのため、治療初期にはPPIを用い、長期の維持医療には制限のないH2ブロッカーを用いる方法が一般的です。

PPIとH2ブロッカーは、どちらかを選んで服用するのが基本で、併用することはありません。
もしも効果が満足に得られない場合は、併用ではなく薬の増量や変更など、他の方法を探っていく必要があります。
しかし、夜間に胃酸が増加する難治性の疾患では、例外的ですが併用可能になるケースも存在します。

例外的な場合としては、PPIを服用中かつ特定の難治性の疾患で、夜間にのみ胃酸が増加し就寝が困難になるような症状に、H2ブロッカーを夜に1回だけ追加で投与する方法です。
この方法は保険も適用されますが、処方箋にも特記を行う必要があります。

PPIやH2ブロッカーで治療を行っても、食道炎や胃炎が再発を繰り返す場合、原因としてピロリ菌への感染が疑われます。
ピロリ菌に感染すると、いくら薬で胃酸を抑制しても、根本的な原因を解決しない限り症状を繰り返すのが特徴です。
一度除菌をしてしまえば、ピロリ菌が原因の胃炎などは、その後に薬を服用しなくても症状が治まります。

ただし、PPIは静菌作用によって、ピロリ菌の活動を抑えてしまうことがあり、服用中はピロリ菌検査で正しい結果が得られないことがあるので注意しましょう。
本来はピロリ菌が存在して陽性になるはずが、ピロリ菌の活動を抑えてしまうため陰性と出る偽陰性となってしまう可能性があります。